Exhibition
会期 2024年9月14日(土) - 9月29日(日)
時間 11:00 - 18:00
定休 水曜日・木曜日
版画家 岩切裕子さんの作品展を開催いたします。
繊細で柔らかな表現で、静かな物語を紡ぐように描かれた岩切裕子さんの木版画の世界をどうぞご覧ください。
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A drop fells on the apple tree
Another on the roof;
A half dozen kissed the eaves
And made the gables lough.
(Emily Dickinson)
雨の滴がひとつ 林檎の樹の上に
もうひと滴は屋根の上に
半ダースが廂にキスをし、
切妻屋根を明るく笑わせた。
(岩切裕子 訳)
ディキンスンのこの詩は、
雨の滴がぽつりぽつりと
樹々の緑や赤く艶やかな林檎、古びた屋根の上を跳ね回る情景が
たくさんの修飾音符のように聴こえてきます。
グールドのピアノのようにきらきらと。
深い緑を抜けたその先の物語を探しにおいでください。
「森への入り口〜Waldszenen〜」/ DM掲載作品
2023年 木版 36.0 x 36.0 cm Ed. 20
「森への入り口〜Waldszenen〜」はクリムトの風景画「公園」に触発されて制作したものです。
30年ほど前にウィーンの美術館ではじめて目にして以来大好きな作品です。
いつかこれを木版でやってみたいとずっと思っていました。
Waldszenenはシューマンの組曲「森の情景」の第一曲のタイトル。
静かな森の情景、大きな声では語られないけれど、たしかにそこには小さな寡黙な物語がある。
この先に広がる未知の、あるいはどこかで見たような懐かしい情景へと繋がる物語を思い描いていただければ幸いです。
岩切裕子 yuko iwakiri
1988年 多摩美術大学大学院美術研究科修了(木版画専攻)
第56回日本版画協会展 協会賞受賞
1989年 平成元年度文化庁芸術家国内研修員
1990年 個展(シロタ画廊、東京銀座) 以降2011年まで隔年開催
1992年 第60回日本版画協会展 第60回準会員記念賞受賞
「木版画〜明治末から現代〜」展(練馬区立美術館、東京都)
1996年 第64回日本版画協会展 準会員優作賞受賞
「静謐、躍動-木版の現在-現代の版画II」展(東広島市立美術館、広島県)
2001年 平成12年度文化庁買上優秀美術作品
2003年 「ねりまの美術2003〜版画・半画・反画〜」展(練馬区立美術館、東京都)
2004年 「現代版画─技法と表現─」(黒部市美術館、富山県)
2006年 第14回ソウル国際版画ビエンナーレ 買上賞受賞
2007年 「木版画東西対決〜仏教版画から現代まで〜」展(町田市立国際版画美術館)
2012年 第59回CWAJ現代版画展 審査員賞受賞
2013年 木版画二人展(HOKUBU記念絵画館、札幌市)
2014年 第3回蔚山国際木版画フェスティバル(Ulsan, Korea)
2014杭州市文化創意産業博覧会「第4回詩意家居」展(杭州市、中国)
2015年 日本現代版画展(ドブロヴニク現代美術館 Umjetnička Galerjia Dubrovnik, Croatia)
2016年 日中現代版画展 2016深圳展(深圳美術館、中国)
2019年 個展(シロタ画廊、東京銀座)
2022年 「岩切裕子木版画展〜物語〜」(須坂版画美術館、長野県須坂市)
2023年 「コレクション展〜夢のつづき、物語のはじまり〜」(黒部市美術館、富山県)
2024年 個展(シロタ画廊、東京銀座)
個展(ギャラリー日色、石川県金沢市)
《その他個展》
Watermark arts & crafts(東京国立市)、ヒロ画廊(和歌山県橋本市)、ギャルリー宮脇(京都市)、セントポールギャラリー(群馬県前橋市)、ギャルリプチボワ(大阪市)、ギャラリーベルセーブ(静岡県富士市)、ぎゃるり葦(山形市)、マスダ画廊(福岡県豊前市)、眉峰ギャラリー(徳島市)、ギャラリーかわなか(宮崎県延岡市) ほか
《現在》
日本版画協会理事、日本美術家連盟会員
《作品収蔵》
文化庁、町田市立国際版画美術館、練馬区立美術館、宮崎県立美術館、相生森林美術館(徳島県、)黒部市美術館(富山県)、須坂版画美術館(長野県)、HOKUBU絵画記念館(札幌市)、国立浙江省美術館(中国)
【 instagram 】yuko.iwakiri.98
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